手組 タイヤ交換 方法 手順 簡単 DIY 

DIY 手組で行うタイヤ交換 その3.タイヤの交換手順 後編

DIY 手組で行うタイヤ交換 その3.タイヤの交換手順 後編

はじめに

今回は、手組で行うタイヤ交換手順の後編となります。具体的には手順5から手順9までとなります。前編(手順1から手順4)では、鍵となるポイントは旧タイヤのビートを外す(落とす)という手順になりましたが、後編(手順5から手順9)でのポイントもやはりホイールに新タイヤのビート部分をハメ込む(上げる)手順になります。過去にタイヤ交換作業の経験がないと、とても複雑そうな作業のように思えますが、一度コツを掴み、作業手順とその理屈がわかると、とてもシンプルな作業に思えるようになります。

手順5.新タイヤのビート部分にビートワックスを塗布する

市販のビートワックスを使用します。ワックスに付属しているスポンジを使い新タイヤのビート部分にたっぷりとワックスを塗布していきます。

700円程度で購入できるものですが、一度に使用する量と今後のタイヤ交換頻度を考えると、紛失しない限り、次に購入することはなさそうです。

手順6.ホイールに新タイヤを取り付ける

新タイヤのビート部分にワックスを塗布すると、外し難かった旧タイヤのときとは違い、最初の片側は工具を使わなくとも自重だけで簡単にホイールをくぐらせることができるようになります。もう片側はタイヤレバーを使いホイールをテコにしてタイヤをホイール内に収めます。

このホイールにタイヤを履かせるときに、黄色の○マーク(古いタイヤの場合は消えてることもあります)とエアバルブの位置を合わせます。組み上げ後のバランスが考慮されています。

手順7.車体にある別のタイヤの空気圧をあげる(エアタンクを作る)

ここから新タイヤに空気を入れる作業に入ります。タイヤのビート部分をホイールの溝にハメ込むためには一気に空気を入れれるような環境が必要です。そのために、今回は別のタイヤを使います。自宅に一台しか自動車がなければ、現在交換しているタイヤ以外の3本のうち、いづれか1本を使うことになります。

この場合、当然タイヤのサイズは同じです。もし現在交換しているタイヤよりも規格の大きなタイヤが自宅にあれば、そちらのほうがエアタンクを作るのに向いています。その理由としては、新タイヤのビートを上げるためにある程度の空気圧が必要となるからです。空気を送る側のタイヤの規格が大きければ、それだけタイヤ内の空気量が多いことを意味します。
例えば、新タイヤのビートを上げるために必要な空気圧が200KPaとした場合に、送る側のタイヤの大きさが同じであれば事前に空気圧を400KPaまで高める必要があります。なぜなら、空気は気圧の高いところから低いところに流れるため、二つのタイヤをホースでつないだ結果、送る側と送られる側の空気圧がイコールとなるからです。つまり、送る側の気圧が400KPaなければ、新タイヤの空気圧を200KPaにすることができないということです(空気漏れなどのロスがないとして)。軽自動車や普通自動車の場合、タイヤの空気圧の上限は350KPa程度と公表されているため、一時的にしろ、その上限を超えて空気を入れなければならなくなる。ですが、交換するタイヤの規格よりも大きな規格のタイヤであれば、そこまで空気圧を上げる必要がないということになります。しかし、送る側のタイヤの規格が大型トラック並みになると、大きなタイヤから大量の空気が小さなタイヤに流れこむため、小さいほうのタイヤが破裂する恐れがあることも考えておかなければなりません。送る側のタイヤの体積と送られる側のタイヤの体積を把握したうえで、送る側の空気圧をどの程度に調整すれば良いか、事前に計算しておく必要があります。
タイヤはどれくらいの空気圧で破裂するのか? インターネットで調べてみると、通常使用で空気圧200KPaのタイヤであれば、3倍した600KPa程度がタイヤが破裂する空気圧とのこと。そのあたりの情報は事前にしっかりと把握したうえで作業を行いましょう。
ビートが上がったときにはパーンという音がなりますので、その時点でエアタンクとして使用しているタイヤ側のチューブを外せば、それ以上の空気が流れることはありません。

ということで、年季のはいった自転車用空気入れで空気圧をあげていきます。300KPaで1回、350KPaで2回、合計3回実施しましたが、完全にビートを上げることができなかったため、送る側のタイヤの空気圧を400KPaにしました。

手順8.チューブを使い、新タイヤに空気をおくる

いよいよ新タイヤに空気を送ります。ここで、このチューブが登場します。

送る側のタイヤ(エアタンク)の近くへ新タイヤ(エアバルブ内のムシは外した状態)を運び、チューブを新タイヤのエアバルブの根元まで差し込みます。

そして、次にアダプタ側を空気を送る側のタイヤ(タンク側)のエアバルブにセットします。

こうすることで、送る側のタイヤ(エアタンク)の空気が新タイヤへと流れていきます。今回は送る側の空気圧が400KPaで新タイヤの空気圧が200KPa程度となり、ビートが上げることができました。ビートが外れる(落ちる)ときと同様、パーンという音がします。ホイールにタイヤのビート部分をハメることができましたら、エアバルブにムシを取り付けます。

手順9.ホイールをシャフトに取付け、新タイヤと空気を送るために使ったタイヤの空気圧を調整する。

最後にホイールをシャフトに取付け、新タイヤ、エアタンクとして使用したタイヤの空気圧を調整して終了です。

まとめ(後編)
手持ちの工具類を活用した結果、今回、新たに購入した工具は、タイヤレバーとムシ回しドライバーの2点となり、金額は約2000円です。それにワックスと新しいエアバルブを合わせても3000円程度で済ませることができました。はじめのタイヤのときは、ビート落とし、ビート上げの要領と方法がわからず、少し手こずりましたが、一度コツを掴めば、次からは非常にシンプルな作業です。DIYでタイヤを交換するメリットの一つに経済的なことが挙げられますが、お金が節約できること以上に作業自体が楽しくて面白い。はやく後ろの2本も交換したいなー、なんて思っていますが、交換時期はまだ先になりそうです。そのときは自分の書いたこの記事を見ながら作業することになりそうです。

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